どんな検査をするの?血液検査や問診などの内容を解説

はじめに

低用量ピル(以下、ピル)を服用する際には、医師による問診や血液検査、場合によっては内診などの検査を受けることがあります。これらは「なるべくリスクなくピルを使うため」に必要なステップですが、初めての方にとっては「どんな内容の検査をされるの?痛みはあるの?」と不安を感じることも多いでしょう。本コラムでは、実際に行われる代表的な検査の内容や目的、注意点について詳しく解説します。事前に把握しておけば、不安を軽減しながらスムーズに受診することができます。

問診の重要性

病院に行くと最初に行われるのが「問診」です。多くのクリニックでは、受付後に問診票を記入してから医師との面談(カウンセリング)に移ります。そこでは、以下のような内容を尋ねられることが多いです。

生理の周期や最終月経日

生理痛やPMSの症状の有無・程度

既往症や家族の病歴(血栓症や乳がんなど)

喫煙習慣、肥満、高血圧などのリスク因子

これまでにピルを服用した経験があるか

問診で得られる情報は、医師が「ピルの服用が適切かどうか」を判断するうえで欠かせません。特に血栓症の家族歴がある場合は、より慎重に検査を行う必要があります。正直に答えることがあなた自身の安全につながります。

血液検査は何を調べる?

ピルは血液の凝固系に影響を与える可能性があるため、血液検査で以下のような項目をチェックする場合があります。

血液凝固系の状態(DダイマーやPT-INRなど)
血液が固まりやすいかどうかを調べることで、血栓症のリスクを予測します。

肝機能(AST、ALTなど)
肝臓はホルモン代謝にも関わる臓器なので、肝機能に異常がないかを確認します。

脂質代謝(総コレステロール、LDL、HDLなど)
ホルモンバランスは脂質代謝にも影響を及ぼすため、高脂血症の有無をチェックします。

これらの検査結果を踏まえ、医師が問題ないと判断すればピルの処方が進められます。万が一、リスクが高いと判断される場合には、別の避妊手段を提案されることもあります。

内診・エコー検査

婦人科を受診する際、「内診や経膣エコーが苦手」「抵抗感がある」という方は多いでしょう。しかし、必要に応じて子宮や卵巣の状態をチェックすることは、長期的に安心してピルを使ううえで大切です。

内診:医師が腟鏡などの器具を用いて、子宮頸部や腟内の状態を確認します。

経膣エコー:超音波を使って子宮や卵巣の形状、筋腫や嚢胞の有無などを調べます。

痛みに対する不安がある場合は、事前に「初めてなので緊張しています」と伝えると、医師や看護師が配慮してくれることが多いです。身体に力が入っているほど痛みを感じやすくなるので、なるべくリラックスした状態で受けるようにしましょう。

血圧測定と身体計測

血圧が高すぎる場合、ピルの服用によって血管や心臓への負担が大きくなるリスクがあります。そのため、多くのクリニックでは血圧測定が必須となります。また、肥満度(BMI)も重要なリスク因子となるため、体重測定や身体計測を行うことも。
特に35歳以上で喫煙習慣のある方や、高血圧気味の方は、より慎重な判断が必要です。

検査の頻度とフォローアップ

ピルを処方されてからも、定期的に受診して検査を受けることが推奨されています。一般的には半年から1年に一度程度の頻度で血圧や血液検査などを行い、健康状態をチェックします。副作用や体調の変化があれば、早めに受診して医師に相談しましょう。

まとめ

ピルの安全な服用には、事前の問診や血液検査、内診などが大切な役割を果たします。「検査」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、多くの場合は短時間で終わり、痛みも最小限です。むしろこうした検査を受けることで、自分の体の状態を正しく知り、リスクを把握したうえでピルを活用できるメリットがあります。不安な点があれば、遠慮なく医療スタッフに質問してみましょう。