あなたに合うピルはどれ?種類ごとの特徴と選び方

はじめに

ひと口に「低用量ピル(以下、ピル)」といっても、実はホルモンの配合バランスや錠剤の構成、飲み方のパターンなどによって複数の種類があります。初めてピルを検討する方にとっては、「どれを選べばいいの?」と戸惑いがち。本コラムでは、代表的なピルの種類とその特徴を紹介しながら、選び方のポイントを整理していきます。

一般的なピルの分類

一相性ピル

1シートに含まれるホルモン量(エストロゲンとプロゲスチン)が一定。毎日同じ量のホルモンを摂取するため、ホルモンバランスが安定しやすい。

飲み方がシンプルで、初めての人でも比較的わかりやすいのがメリット。

二相性ピル

1シートの中でホルモン量が2段階に変化。前半と後半で配合量や種類が異なることで、より自然なホルモン変化に近づけようとする設計。

ただし、飲む順番を間違えると効果が低下するため注意が必要。

三相性ピル

1シートの中でホルモン量が3段階に変化。自然な生理周期に近いリズムを模倣し、生理痛やPMS改善効果が高いと感じる人もいる。

飲み方をよく理解しないと混乱しやすい面がある。

主な有効成分と特徴

ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)の2種類が含まれますが、プロゲスチンの種類によって効果や副作用の出方が変わることがあります。例えば、肌荒れが起きにくいタイプのプロゲスチンが使われているものや、むくみを感じにくいものなど、個々の特徴があります。
医師は問診や血液検査、患者の生活スタイルを総合的に考慮して、最適な種類を提案しますが、もし服用中に副作用が気になる場合は、プロゲスチンの種類を変更することで改善することも珍しくありません。

シート枚数と休薬期間

・21錠タイプ
 21日間服用し、その後7日間は休薬期間としてピルを飲まない。休薬期間に消退出血が起こる。

・28錠タイプ
 21錠の有効成分入りピル+7錠の偽薬(ホルモンが含まれない錠剤)のセット。飲み忘れを防ぐために、休薬期間も何らかの錠剤を飲み続ける仕組みになっている。

どちらを選んでも避妊効果や生理痛改善効果に大きな差はありませんが、毎日忘れずに飲み続けたい人は28錠タイプを選ぶことが多いです。

選び方のポイント

医師との相談
自分の体質(血圧、喫煙の有無、既往症など)を正直に伝え、リスク評価を行った上で処方してもらいましょう。

副作用の出方
吐き気、頭痛、むくみ、肌荒れなどが起こりやすいかは個人差があります。飲み始めから2~3か月で症状が落ち着くことも多いですが、強く出る場合は別の種類に変更を検討。

ライフスタイル
飲み忘れが心配な人は28錠タイプ、より自然な周期に近い方が良いなら三相性ピル…といったように、生活リズムや好みで選ぶ基準もあります。

まとめ

ピルには一相性、二相性、三相性という分類や、21錠タイプ・28錠タイプなど、多様なバリエーションがあります。自分に合うピルを探すには、まずは医師としっかり相談し、体質やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。服用後に不快な症状があれば、決して我慢しすぎず、種類変更を含めて医師に相談してみましょう。自分にぴったりのピルを見つければ、生理トラブルや避妊の悩みがぐっと軽減されるはずです。